アメリカ・バスケットボールリーグNBAのミルウォーキー・バックスで、毎年趣向を変えて作っている第三ユニフォームの色が、技術的な問題から使えなくなったという話です。
Just because I’ve seen it a bunch today: we aren’t allowed to do cream colored jerseys anymore. There are reasons, but suffice it to say it won’t appease anyone to get into it, so I’ll just say: we would if we could.
— Dustin Godsey (@dgodz) November 11, 2022
チームのCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)がツイッターで発信したのは、「クリーム色のユニフォームはもう使ってはいけないことになった。理由はいろいろあるけど言っても納得しない人もいるだろう。できることなら使いたかったとだけ言っておく」
と、なぜクリーム色がダメなのか、はっきり語ることは避けられています。
In the end, @Uniwatch talked me into getting into it after all. https://t.co/Q4QxhyBXOU
— Dustin Godsey (@dgodz) November 15, 2022
シティエディション・ユニフォームは、フランチャイズ都市の歴史や文化を表した特別ユニフォームだそうで、その街にちなんだ色やデザインを採用するそう。各チームがこの普段と違うユニフォームを着てプレイする期間があり、熱心なファンならいつものユニフォームと違うこれらのユニフォームや関連グッズも購入するでしょうから、特別ユニフォームのデザイン性や人気はチームの財政にも影響するものと思われます。
また、ミルウォーキー市の愛称は「クリームシティ」ですが、これは街の中心部にクリーム色のレンガを使った歴史的建物が多いことからついた愛称だそうです。そんなことからミルウォーキーのチームとして地元を表すユニフォームをクリーム色にするのはごく自然な発想で、これまでのシティユニフォームで実際にクリーム色は採用されてきました。
しかし、今シーズンからクリーム色は使えなくなった、と。なぜか?
コートの外側に並べられたデジタル広告のためのボードの色がクリーム色に近いため、テレビ中継で選手のユニフォームに広告が載ってしまうことを避けるため、というのが理由のようです。
アイスホッケーのテレビ中継で実際に発生
北米アイスホッケーリーグのNHLのテレビ中継で、実際に懸念された現象が発生している動画があります。
These new NHL digital ads are wild pic.twitter.com/uN6InE68Zr
— Brady Trettenero (@BradyTrett) October 13, 2022
リンクの周囲はデジタル広告のために使われていて、一定時間ごとに表示されるブランド名が変わるのですが、その変更の時などに選手の白いユニフォーム
また、ブランドの切り替え時に広告側にホッケーのスティックやパックが表示される、という不具合の例もありました。これはこれでなぜ起こるのか不思議です。
Dobson.
Shoots.
SCORESSSSSSS. pic.twitter.com/RZ4b6i8XDi— New York Islanders (@NYIslanders) November 8, 2022
広告が入るおかげで無料、あるいは安価にスポーツ中継を観ることができる、という点はあるので、ある程度は仕方のないところだと思いますけれど、ユニフォームの色も広告技術の影響を受けてしまうのですね。
今は矩形のボード上を差し替えるぐらいの話ですが、技術が進めば動画上の任意の場所をより正確に判定し、どんな形でもそこに別の画像を載せることもできるようになるでしょうね。そうなってくると、ユニフォームに広告が載るのを避ける、ではなく、ユニフォーム自体が動的に差し変わる広告の載る場所となるようなこともあるのかもしれません。
今もサッカー等のユニフォームにはスポンサーロゴがいくつも載っているのですから、中継で観ている人からはそれらが動いたり、一定時間で差し替えられたりできても、許容範囲となる可能性もありますね。
via Hacker News